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夏の布仕事

  • 執筆者の写真: textile arts studio CORO
    textile arts studio CORO
  • 11月10日
  • 読了時間: 4分

こんにちは

暑くてたまらなかった夏も過ぎ

川越はすっかり寒くなりました


今年の夏は、

スタジオの皆さんと制作をしたり

畑仕事に励んだり充実した毎日でした


今回は、夏に取り組んだ布仕事を紹介したいと思います


スタジオでは昨年から

近くに畑を借りて綿と藍を育て始めました


綿や藍との出会いは5年ほど前

山梨県の機屋(はたや:織物を織る工場)さんに勤めていた時、先輩に和綿と藍の種をいただいたことから始まりました


それから毎年、小さなプランターで和綿と藍を育て種取りをしてきたのですが


スタジオ開設と同時に近くで畑を借してもらえると知って植えてみよう!と軽い気持ちで始めました


早朝から畑で植物の世話をしていると、気持ちが澄んでとても良い時間でしたが


無知な自分1人で始めてしまったおかげで、作業は全くはかどらず…

昨年はなかなか大変でした


昨年の学びから今年は、

専門学校の教え子に協力してもらい

5月半ばから活動開始



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今年植えた種は、

和綿

洋綿(アップランド綿)


それからスタジオのメンバーさんに頂いた

茶綿(和綿)

緑綿(洋綿)の4種類


綿にもいろいろな種類があると知ってはいましたが、白以外の綿を育てるのは初めてです



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(緑綿は、種から緑色でした)



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10日ほどで発芽

そら豆のような双葉が開いてきます



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(洋綿の双葉)



この時が収穫の時と同じくらい嬉しい瞬間です


この時期は、虫やナメクジに注意が必要で、

せっかく出たばかりの双葉が翌朝に茎だけになっていたり、

今年もいくつか食べられてしまいました…



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6月 順調に大きくなった苗を

梅雨に入る前に畑へ



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梅雨がくれば水やりいらず、

と期待していましたが

一向に雨は降らず…

結局、毎日水やりに行くことに


異常な暑さで一時は、

今年はだめかもしれない…と思ったり



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(洋綿)



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(和綿)



7月も同じく暑い日が続いて

洋綿はいまいちでしたが

和綿はすくすくと伸び一安心



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(洋綿)



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(和綿)



7月中旬になると大きく葉を広げ始め

いよいよ、という感じです


昨年、和綿は大きく伸びてしまい

洋綿のほうは横に大きく広がってしまい

足場が見えないほどの葉が茂って収穫に苦労しました


今年は、混みすぎないように間引いたり

大きくなりすぎないように摘芯をしました



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そして花が咲き始めます



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(アップランド綿/洋綿の花)



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(緑綿/洋綿の花)



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(和綿の花)



和綿の花はオクラの花に似ています

花が終わると、ワタの蕾が膨らみ始めます


和綿と洋綿を比べると、枝葉や花の形も違いますが、ワタの様子も違います



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(洋綿 花の根元が膨らみ始めます)



和綿のほうが一回り小さく

弾けるワタも小さめです



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(和綿 先端がすこし尖っています)



隣で育てたら交配しないの?

と思うかもしれませんが

和綿は和綿同士、

洋綿は洋綿同士、

しか交配しないそうです


と言いながら、

緑綿とアップランド綿(どちらも洋綿)を

隣に配置してしまっていました…


調べたところ

色の違う綿同士が交配したとしても

その年のワタが急に色が混ざるわけではなく、何年か育てていくうちに

じわじわ色の変化が現れてくるそうです


そうなったらまた考えよう、とほっとして

ひとまず収穫を待つことにしました


色々相談にのっていただいたのは

洋綿の種を購入した「メデタシ種苗」さん


茨城県西筑市で無農薬の綿を大切に育てている種苗屋さんです

育て方なども相談にのってくれるので

綿の栽培に興味のある方におすすめです


そして、9月

いよいよ弾けました

今年は、茶綿が最初でした


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(茶綿/和綿)



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(緑綿/洋綿)



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(アップランド綿/洋綿)



収穫が始まった、といっても

一斉に弾けるわけではなく

花を咲かせた順に弾けていくので

下から弾けていきます


11月現在、上の方はまだ蕾の状態で

収穫はまだまだ続きそうです



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収穫したワタは、スタジオに戻ってしばらく天日干し

初めて収穫した茶綿は

優しいベージュのような色でした


さぁいよいよ紡ごう

と言いたいところですが

ワタの中に種があって

まずは種を一つ一つとっていきます


ここからが地味に大変な仕事…

布になるまでの道のりは続きます

 
 
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